暖冬に魅せる!  大 井 川 鐵 道 雪 景 色


 福用から保線員らしき二人を載せた列車が家山に到着、どうやら架線に掛かった竹などを除去するために乗ってきたようだ。稀な出来事に職員の方々も大変な目にあってしまう。
 車窓に見る雪景色、冬の大井川と言うと山々も色濃くなり暗く感じることが多かったが、雪景色をみて一変!水墨画の世界が広がっている。毎日利用している人でも自然と車窓に目がいってしまう。


 地名を出て短トンネルを抜けたところで急停車した。保線職員が運転台のドアから線路へ降りて竹薮へ入っていった。前を見ると明らかに架線に竹が垂れかかっている。雪の重みで垂れ下がったのであろう、安全運行に支障をきたすこれらを除去しながら進むことになりそうだ。


 時には乗降ドアを開けて車内から伐採することも。たび重なる停車に乗客が怒り出すかと思いきや静かなもの。大半が地元の人のようで迎えを頼んでおいた人に携帯で状況を伝える姿が見られた。安全運行確保のための措置、都会の時間に追われた人々だったらとうに怒りだしていただろう。


 運転台後部から前方の状態を確認しながら進み架線障害が見つかると停車...それを繰り返すうちに時間がどんどんと過ぎて行く。下泉で離合した上り列車の運転士からこの先千頭までの状況を聞くと青部の竹薮が一番酷いとの事。まだまだ列車に遅れが出そうだ。そして駿河徳山に到着したのは定時から30分ほどの遅れとなっていた。


 駿河徳山駅もまた激しい雪に見舞われていた。駅舎内にいるのは上り列車を待つ人々。定時なら今乗ってきた列車が千頭から戻ってきている時間。駅員に列車の時刻を確認するが皆目検討がつかないと言う。


 下り列車が到着し暫くしても発車する気配がない。運転士さんに確認するとここで交換待ちだという。島田まで行くと言う二人の中学生がホームに上がり雪合戦を始める。こんなに雪が降ったのは幼稚園の頃以来だと言う。
 やがて到着した上り列車、田野口から下泉の間の広い河原が一面真っ白になった光景を一組の親子が眺めている。この子にしたら初めて見る雪景色なのかもしれない。


 下泉で上り列車の進入シーンを撮影、トンネルを抜けてくる列車は今や大井川最古参の元西武車。ハラハラと降る雪・警報機に積もる雪・道床に積もる雪...この数年に見られなくなった光景が蘇る。


 列車が駅に着くと川根高生とさきほどの保線員が戻ってきた。日常の下校風景と非日常の雪景色。学生の明るい表情に比べて保線員の険しい表情は雪により受けた仕事の辛さを物語っているかのようだ。


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