瀬戸内の味覚と大和に触れる乗り鉄の旅


 倉敷からJR伯備線に一駅だけ乗車する。12:16発の車両は115系のオリジナル色、隣に並ぶ山陽線の115系と比べると同じ車両とは思えない。清音で下車し乗換える。倉敷でも清音も駅弁類はなく、昼食にありつけない。115系の城下かと思ったら213系なども入るし米子方面への特急「やくも」381系が走り抜ける。115系でも結構な揺れを覚えたが、さらに高速の特急車、揺れも相当なものだろう。


 12:49、次に乗車する列車が到着。IRT355型、第3セクター井原鉄道の軽快気動車である。ほぼ一時間に一本の間隔で走るこの鉄道の利用者は大半が沿線に住む方々。運転士さんの話だと、全線通して乗車する人は稀のようだ。清音から二駅目の吉備真備まで帰るという二人に列車到着まで待合室で話を聞けた。バスしか交通手段のなかった沿線、鉄道が通ってかなり楽になったと言う。

 12:57発のこの列車で井原駅まで乗車する。沿線で食事が出来るところを駅員に聞いたところ、井原で降りるのが良いと教えてもらったからだ。


 途中下車するならと、フリー切符があったので購入。見れば1月からの新しいもののようだ。夢やすらぎ号をデザインしたものである。一日乗り放題なので沿線観光にはもってこいかも知れない。


 井原鉄道の路線は高規格なのか揺れも少なく、列車の走行速度も比較的早く感じられた。駅周辺を除くと田畑の真ん中を突き進んでいる感じだ。僅かではあるが、ほぼ全駅での乗降が見られた。まさに地域の足と言うべき鉄道、いつまでも大事な足であってほしいものだ。


 関東方面在住者にとってあまり馴染みのない井原鉄道だが、今年で開業7周年を迎えた。記念日である1月11日、全線どこまで乗っても100円と言うイベントを行なったようだ。全線乗車すると1,070円、それが100円で乗れるなんて太っ腹だ。
 神辺駅でJR福塩線に乗り換える、僅か1分の乗換え時間は便利だが、ご年配にはちょっと短いかと感じる。車両は105系2両編成のワンマン運行。ローカル列車は山陽本線内でもワンマン列車が多かった。


 福山と言えば「福山自動車時計博物館」へ寄らない手はない。歴史的にも貴重な車や珍車・懐かしい車にオールドウォッチなど数多くの展示品がところ狭しと並んでいる。また、大半の展示車は運転席に座ることも出来て、肌で感じられる博物館でもある。


 いつか見た日本中を駆け巡った車両も当たり前のように並んでいる。ナンバーが付いているということは実動可能?こんな車が大挙して街を走ったら、間違いなく人目を引くだろう。
 もう一つの展示品である時計も本体のみならず小物もたくさん。時計修理料基準表など初めてみるものがいろいろとあった。


 屋内に展示された今にも動き出しそうなほど綺麗に整備された車たち、その建物の表には朽ち果てんばかりのボンネットバスが止められていた。こんな状態になっても、ここ福山自動車時計博物館の技術力で復元されてしまうと言う。ここで復元されたボンネットバスが今、日本全国で活躍している。


 そして、ここには3台のボンネットバスがある。メーカーも経歴も異なるボンネットバスが極当たり前のように車庫に並んでいる姿をみると、どれが普通の姿なのか判らなくなりそうだ。


 何台もの消防車が当たり前のように並ぶ。出所を見ると広島県内の他地から来た車も多いようだ。ポンプ車からハシゴ車まで...さながら数十年前の消防署にいるようだ。

 片や、まだ手付かずのバス窓のバスが車庫の奥に佇む。この車も整備されてどこかで活躍する日が来るのだろうか。


 博物館本館から見る消防車が佇む車庫。見つめるように展示された手入れされた車との対比ではないが、いつしかあの消防車が街を走る姿、想像するだけで笑みがこぼれそうだ。

 1時間半ほど滞在し福山を出る。16:20発の山陽本線に乗り西へ。車窓に海が近づいてくると向かいの島に造船所が見え始める。16:39、定刻に尾道に着く。駅前には某公開品の大きな看板が出ている。加えて「みどりの窓口」では、渡船と見学料をセットにした割引券を販売していた。


 この日は尾道に滞在することに。明日の朝一番で島へ渡り公開されている某施設へ。宿を取ったのは尾道第一ホテル。ちょうど沈みかけた夕陽が尾道水道を照らす。施設は古いが改装されており綺麗ではある。あとはネット接続がLANだったら...


 夕飯を求めて尾道の市街地へ、ホテルでもらったマップをもとに当初は尾道ラーメンを食すつもりで出掛けたが、お目当ての店は既に閉店時間を過ぎていたため、海の幸を食すことに。これが、大当たりで船を持つご主人が自ら尾道水道や近場の魚場で釣ってきたネタを提供している居酒屋であった。

 刺身はカワハギの姿造りとフグの湯引き、カワハギは肝をポン酢に溶いて食す...まだ尾びれがピクピクしている鮮度抜群の白身は歯ごたえあって噛むと旨味がジュワっとして美味!その後、アナゴの塩焼き・小魚と野菜の掻揚げ・カワハギの姿身の味噌汁・食事・麦焼酎3杯で美味しく安く食事が出来た。

 海鮮居酒屋「辰兵衛」 お奨めです。


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