腰越 小動神社天王祭 電車道を行く


 700mほどの電車道を神輿が通り過ぎるまでの間に数回列車が通る。そのたびに誘導者・江ノ電職員に緊張感が走る。担ぎ手はその苦労も知らぬ存ぜぬで担ぎ続ける。神輿と列車との間は僅か、こんな光景が見られるのも江ノ電ならではだろう。


 神戸橋を渡り腰越駅前にやってくる。道路は人に埋め尽くされ道なのか何なのか判らない状態に。その頭上に神輿が顔を出しているようだ。2基の神輿が行列と共に小動神社に向かう。


小動神社の幟を掠めて天王屋敷へ。2基の神輿が到着すると祭典が厳粛に執り行われる。


 祭事の間、電車道は静けさを取り戻した様に人影が少なくなる。露店目当ての親子連れが散見されるようになり、浴衣姿の子供達も多く見られるようになる。チョコバナナを頬張り終えた彼女たちに二姉妹、さてどの子とどの子が姉妹か判るかな?


 八坂神社の神輿を送り出すまで暫く余裕が出来る露店。たこ焼き屋の親父さんと仲良くなり色々な話を聞かせてもらった。小動神社の祭典に露店を出して10年は経つと言う、毎年この場所に店を出していると地元の人とも顔馴染みになるそうだ。それが証拠にオニギリやお茶の差し入れが何度か見られた。普通のたこ焼きより一回り大きいサイズのそれは一人前で十分お腹を満たす事が出来る。


 電車道に人通りが多くなると神輿の担ぎ手の掛け声が近づいてくる。神輿が軌道に入る直前に列車の通過。「止まれ!」の声も聞こえないのかジリジリと押し寄せてくる神輿。腰越駅前は人がごった返す。


電車道に入りまた列車とすれ違う。江ノ電開業前から続くこの祭礼。


江ノ電はここに線路を通すのにこの祭礼を承知の上で通したと言う。


 徐々に西に傾く陽が担ぎ手の額に垂れる汗を輝かせる。その神輿の後を追うように列車が進む。八坂神社の神輿を送り出した各町内の面々が戻ってくるといよいよ祭も終盤に近づく。


 夕陽が照らし始めた夕方、駅前の酒屋さんの親戚の子が浴衣姿でやってきた。既にここで生2杯・缶酎ハイ2本を消費、店主のおじさんが「この人に写真撮ってもらえよ」と二人に促す。では、と、ちょうど来た列車と一緒に...。


八坂神社の神輿を送り出した小動神社の神輿が間もなくすると戻ってくる。それを出迎えるように各町内の衆が電車道に集まる。


 その列車の後からサーフボードを載せた自転車の男性が追いかける。祭典で混雑する電車道を安心して通行出来る方法、それは電車のすぐ後を走ること。祭典の中に界隈の日常風景が妙に溶け込む。


小動神社の神輿が戻ってきた。この神輿が神社に戻ると祭礼もほぼ終わりとなる。


夕刻になり日が落ちると各町内の山車に明りが灯り、電車道を往来する。


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