北の大地へ・往復寝台列車の旅


8001列車 臨時寝台特急トワイライトエクスプレス入線

 大阪を12:03に発車し、翌朝9:07に札幌に着く臨時ではあるが日本で一番早い時間に出発する寝台列車である。下り列車は1,495.7kmを21時間4分かけて、上り列車は1,508.5kmを22時間47分かけて12路線を走りぬく。
 運航日は札幌行が月・水・金・土曜、大阪行が火・木・土・日曜となっている。



 登場から20年経った今でも変わらぬ絶大な人気を博している。特にA寝台個室は発売と同時に売切れるほどの人気ぶり。日本海に沈む夕陽・渡道してからは太平洋に昇る朝陽・そしてその前後の薄暮を一列車にして車窓に眺められると言う長距離列車。


 「寝台列車」と言えばブルーの車体から「ブルートレイン」と呼ばれる。しかし、このトワイライトエクスプレスは濃緑に黄色の帯とブルートレインのスタイルを一新。一層重厚な雰囲気を醸し出す。


 今回利用するのはA個室寝台。乗降ドアの上には「A寝台」を示す表記が、車内に入るとトワイライトエクスプレスのエンブレムを纏ったマットが迎える。個室へ向かう通路は木目調のデコラで装飾され窓にはカーテンが吊られる。ところどころに装飾灯が灯り落ち着いた雰囲気を演出する。


 各個室のドアは大理石調のデコラが貼られ豪華さを演出、その室内は通路同様に木目のデコラで統一されている。居室幅一杯に広がる窓・凝った形態のテーブルランプに重厚なカーテン。一人掛けの椅子と寝台になるソファ。一人で利用するには広すぎるほどの個室である。

 12:03、静かに大阪駅を発車する。駅構内が途切れると「いい日旅立ち」のBGMが流れる。このBGMは大阪駅発車時と札幌到着時にしか流されない。これを聞くのが始発から乗る醍醐味でもある。


 通路側にも窓が設けられ、反対側の車窓も楽しめる構造になっているが、乗客の往来があるので落ち着かない。ほとんどの時間閉めたままになる。デスクにはホテルのインフォメーションブックと同様のブックが置かれ、車内インフォメーションなどが記されているほか、レターセットなども入っている。

 そして、居室の隣には個室専用のシャワールームが設けられており、利用可能時間20分間であればいつでも利用出来る。このスペースに折畳み式の洗面台・洋便器が設置されていて、ホテル同等の設備を有する。
 このほか、AV装置やドライヤー・食堂車直通のインターフォンがある。食堂車営業時間内であればルームサービスを依頼する事も可能。




 新大阪を発車すると食堂車のスタッフがA寝台個室を訪問し、夕朝食の注文・ウェルカムサービス・モーニングサービスの注文を受けに来る。
 ドアノック後、返答しても乗客がドアを開けるまでスタッフが扉を開ける事はない。

 その後、車掌が検札に回ってくる。伊東からの切符を提示すると「わざわざ静岡からのご乗車ありがとうございます」と一言。車掌の制服は通常のJR西日本の車掌服ではなく、トワイライトエクスプレスの車体色同様のダークグリーンベースの落ち着いた色調。
 検札が済むと再び食堂車のスタッフがウェルカムサービスを届けに来る。
 赤ワインのハーフボトルを依頼。ラベルにはトワイライトエクスプレスのエンブレムが描かれている。乾き物のセットとお茶も付いてくる。これ全て寝台料金に含まれている。


 インフォメーションブックないの車内案内。ホテルで言うところの館内案内に相当する内容が記されている。1・2号車がA個室寝台で、5・6・7号車がB個室寝台。8・9号車は2段寝台の4人用簡易個室(通路と寝台の間に仕切りを入れたスタイル)になっている。3号車に食堂車「ダイナープレヤデス」、4号車がサロンカー「サロン・デュ・ノール」、7号車の一部にミニサロンが設けられる。

 A個室寝台には、トラベルセットに使い切りのスリッパが用意される。これら全て持ち帰りが出来るため、持参したトラベルセットを使って持ち帰る事に。B寝台のスリッパは通常のビニルスリッパ。ここでも寝台の差がつく。


雪景色の湖西線沿線を眺めながら真昼間から頂く赤ワイン。優雅な旅の始まりです。


 13時過ぎ、食堂車ダイナープレヤデスでランチタイム営業が始まる。ランチ営業を行う食堂車はこのトワイライトエクスプレスが唯一の存在。満席になる前に席を確保して「オムライス&エビフライ」をオーダー。もちろんオーダーが入ってから厨房で調理が行われる。

 サービススタッフは3人だが、これだけの席をそつなく回す。動きもテキパキしていてレベルの高さを窺わせる。さすがは看板列車である。


 4号車「サロン・デュ・ノール」。ランチ後に行ってみたら団体さんに占領されていた。Bコンパートメント利用のツアーの方々らしい。オリジナルグッズ等の販売を行うワゴンサービスを呼びとめ結構な数を買込む姿も見られた。この車輌にはシャワールームや飲食の自販機が設置されている。


 B個室寝台は1人用の「シングルツイン」と2人用の「ツイン」が設けられている。シングルツインは補助ベット利用で2人でも利用が可能になtぅている。7号車のミニサロンは本革のソファが2組置かれ、飲料の自販機と雑誌がラックに用意されている。


 北陸路を駆けるトワイライトエクスプレス。福井14:40・金沢15:36・富山16:30...北陸3県の県庁所在地を中心に停車していく。そして車窓の雪景色はどんどんと厳しさを増してくる。


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