遅 い 夏 休 み i n 九 州
真新しい鹿児島中央駅の駅舎。橋上スタイルのコンコースから階段を下りてホームへ出ると...
そこは西鹿児島駅の面影を随所に残す昭和の香りがするホーム。
国鉄型気動車のエンジンが唸り、鉄板を吊るした乗車位置案内。
似つかわないのは駅舎だけ...
9:10 5番線ホームに2名の客室乗務員が現れ、列車を待つ乗客にパンフレット類を配布する
9:16 真っ黒な車体を揺らしキハ147型気動車が5番線に入線する
客室乗務員は列車の進入を確認すると一礼、関東では見られない行動に教育が行き届いている感が伺える
。
乗車する列車は「はやとの風2号」
鹿児島中央駅から吉松駅を結ぶ観光特急である
一般型の気動車を改造し、真っ黒な車体色で人目をひく
車内は難燃材を用いて木の温かみがある落ち着いた印象を与える
車輌中央部にはフリースペースが設けられ自由に利用出来るようになっている
車内の一角にはサービスコーナーもあり、お土産や車内販売などの拠点となる
9:28 鹿児島中央駅を発車した列車は、鹿児島・隼人と停車し肥薩線に入る
10:16 肥薩線最初の停車駅「嘉例川」に着く。ここで約5分の停車時間が設けられている
嘉例川の駅舎は築100年を過ぎ、県内最古の木造駅舎として登録有形文化財に指定されている
百年の旅物語「かれい川」と言う弁当が、土日祝日のみ販売される。数量限定・期日限定の貴重な駅弁
列車の停車時間を利用して、客室乗務員が記念撮影に応じる。
列車名と日付の入った看板を手に笑顔で対応
通常特急や九州新幹線に乗務する時にはない、観光特急ならではのサービス
霧島温泉郷への玄関口「霧島温泉駅」
ここで普通列車と交換すると共に、地元の方々の出店がお客様を迎える
霧島温泉駅でも5分の停車時間が設けられている
10:57 定刻に終点の吉松駅に到着
人吉方面からの肥薩線と、都城からの吉都線の交差駅
長いホームが活況を見せていた頃の名残
11:16 2番線に「いさぶろう1号」が到着
「はやとの風」「いさぶろう・しんぺい」の二本の観光列車が並ぶ
共にキハ40系列を改造した車輌である
「はやとの風」同様に木の温もりを活かした車内レイアウト
はやとの風より落ち着いた色調でシックな印象である
愛称の由来は「いさぶろう」が同区間建設当時の逓信大臣
山縣伊三郎
「しんぺい」は開業当時の鉄道院総裁、
後藤新平
矢岳第一トンネルの矢岳方入口に山縣の「天険若夷」、吉松方に後藤の「引重致遠」の扁額が残ることにちなむものである
折り返し「しんぺい2号」となって人吉を目指すことになる
ホームには年季の入った木箱に弁当やお茶を持ち乗客から声が掛かるのを待つ立ち売りの姿も
普通列車ながら観光列車と言う特性から、この列車にも客室乗務員が2名乗る
吉都線の普通列車の到着を待って、しんぺい2号の発車となる
11:54 真幸駅に到着。 真に幸を...ホームには幸せの鐘があり、僅か2分の停車時間で鐘を打つ。
この駅でスイッチバックして高度をかせぐ、さきほど昇ってきた線路を車窓にみる。
再びスイッチバックした列車は、真幸駅を眼下に望んで走る。
矢岳越えは厳しい勾配との戦い
真幸〜矢岳間には、えびの高原や霧島連山、遠く右奥には桜島をも望むことが出来る
ここは日本三大車窓に指定されており、列車は停車して景色を眺める時間をとる
肥薩線 吉松〜人吉間35kmに走る列車は、この観光列車を含めて5往復しかない
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