平 日 民 鉄 巡 り           箱根駒ケ岳ケーブルカー編

 岳南鉄道を後にして国道1号線を走る。箱根山を上り箱根登山鉄道へ向かう。芦ノ湖を過ぎると道端に「駒ケ岳ケーブルカー」の看板が見えた。そういえば夏で廃止になると聞いたっけ。と思い、寄ってみた。着いたのは15時過ぎ、登り口駅の駐車場はかなり広く設けられているが、3台の車しかない。平日とは言え何とも寂しい光景が広がっていた。


 昭和32年11月に開業した箱根駒ケ岳ケーブルカー。駐車場の広さからすると当初はかなりの盛況ぶりが伺えるが、今の駅の風情を見ると何とも言えない寂しさが感じられる。歓迎看板はいつから掲げられなくなったのだろうか。


 駒ケ岳ケーブルカーを利用するためには自家用車の他に、同社が運行する路線バスがある。しかしその本数は5本のみ、公共交通機関を利用してここを訪れるのは大変な事だ。そして、駅の入り口には廃止を告げる張り紙が...。残念な事だがこれが現実なのだ。


 登り口駅の待合室。数台の自販機とベンチがあるだけの簡素なもの。15:20、待合室には誰もいない。駅職員がひとりヒマを持て余している。そのケーブルカーの運転間隔は15分。しかし乗客が確認されない場合は運休にもなると言う。


 車体こそライオンズカラーで新しく見えるが、その足回りは開業当初のもの。大掛かりな改造も出来ないほど採算が取れてないのだろう。2枚折り戸はバス用のもの・車内は簡素なロングシート、観光用とはちょっと離れた感じの車両だ。


 車体中央に伊豆箱根鉄道の社紋が取り付けられてる。西武グループにあって唯一自己主張を示す。そして線路脇を見ると小さな信号機がある。巻き上げ機による運行にも必要なんですね。


 信号が青に変わり、安全確認のブザーを鳴らすと暫くして動き出す。自分以外は誰も乗っていない車内で車掌さんと話をしながら進む。長年、駿豆本線で車掌をしていた事などを聞いていると離合地点。上方からの車両を見ると誰も乗っていない。ん〜、寂しい。


 山頂に近づくにつれて勾配がきつくなり眼下の光景がみるみる離れていく。ワイヤーが切れたら...保安装置があると判っていても怖くなる勾配だ。その山頂駅は円筒形のガラス張りの建物。こちらも開業当初からの建物でかなり老朽化している。


 切符売り場は乗務してきた車掌が取り扱う。実質無人ではあるが、機械操作の職員がいるため対応していると言う。必要最小限の人員で運行されている様子が伺える。その建物内部は独特の形状をしている。歴史的価値があるのでは?廃止後、この建物はどうなってしまうのだろうか。


 駒ケ岳ケーブルカーの説明が掲げられていた。安全性を十二分に説明している感じだ。そして2人ばかりの乗客を乗せて山を降りていくケーブルカーを見送る。さきほどまで濃く張りつめていた霧が晴れて眼下のゴルフ場がその姿を現した。


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