春秋2回の保線作業  除 草 剤 散 布 作 業


 夏のピークを終えた9月、大井川鐵道井川線では秋の紅葉シーズンをひかえ集中して保線作業が行われる。そしてその作業の中には山間部の井川線ならではの除草剤散布作業が含まれる。春秋の年2回行われる作業を見てきた。

 川根小山を通過し勾配区間を進む。お茶に影響の少ない除草剤だそうだが、それでも細心の注意をはらい作業を進める。そして10:20頃、奥泉に到着し給水が行われる。駅舎からホースをひいての給水と列車交換のため1時間ほど停車する。


 薬品の臭いに加え噴霧用のエンジンポンプの排気も職員には辛いだろう。停車時間中だけはその辛さから少しは開放される。そして10分後に定期の203列車が入線、通常なら短い下り列車は1番線に入線するが、この日は除草剤散布列車が停車しているため、2番線への入線となった。


 203列車が発車してしばらくするとポツポツと雨が降ってきた。空にはドンヨリとした雲が流れ始め徐々にその範囲が広まる。10:45発の寸又峡線バスが出た頃には大粒の雨が降り出した。その後5分ほどたつと駅で警笛が鳴る。発車までまだ20分以上あるのに??と思い行って見ると機回しが行われていた。

 駅員に聞くと雨で中止になったとの事。402列車に併結して戻ると言うので一駅戻って川根小山で列車の到着を待つことにした。それにしても山の天気は変わりやすい。

 11:28 川根小山に到着する402列車。その後部に除草剤散布列車が併結されているのが分かる。柔軟に列車の併結出来るのも機関車牽引列車のお陰だろう。


 11:45過ぎ、402列車は川根両国に到着。すぐさま後部の除草剤散布編成を切り離し千頭へ向かう。この連結・解放作業もお手のモノと言った感じだろうかとにかく早い。短い停車時間中に作業が行われ定時発車した。


 402列車が去ると場内入換えが開始される。cトキを切り離し機回し。そして車両区へ引き上げられていく。雨脚は一層増し翌日の作業も出来ないだろう。残念ながら今回散布できた区間も再度撒かなくてはならなくなった。


 井川線での撮影を終えて本線へ。まだ101レに間に合うので田野口付近で撮影。白煙が時折注す陽に輝くが雨脚は衰えない。客車の雨樋から勢いよく水が落ちる。

シトシトと降る雨に濡れるコスモス、花びらの水滴が落ちるころ上り列車が入線してくる。列車の風圧でまた水滴が落ちる


102レ通過の時刻、未だに雨は降り止まず冷たさだけが増す。そして機関車が通過する一瞬だけその熱気で風が温まる


白く残る蒸気・段々と小さくなる轍の音・遠ざかるテールランプ・見送るコスモス...なぜか懐かしく感じる光景


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