春秋2回の保線作業  除 草 剤 散 布 作 業


 夏のピークを終えた9月、大井川鐵道井川線では秋の紅葉シーズンをひかえ集中して保線作業が行われる。そしてその作業の中には山間部の井川線ならではの除草剤散布作業が含まれる。春秋の年2回行われる作業を見てきた。

 9月21日の午前7時過ぎ、川根両国へ向かうと既に散布作業用機材・除草剤の準備が整っていた。使用されたのはcトキ200型228、農薬散布などで見かけるタンクが3つ、そして散布用の配管が組まれている。やがてDD203が近づき連結され本線側へ引き出されていった。


 定期132列車が川根両国を発車、始発でもあるこの列車は小・中学生の通学列車でもある。大きく窓を開けて身を乗り出せる列車、固定窓がほとんどの現代では考えられない光景が当たり前に見られる。


 132列車が千頭に着くと直ぐに川根両国を発車する除草剤散布の352列車。川根両国〜千頭間の作業を行い、千頭駅構内作業へと進めていく。運転士さんに聞くと時速5kmほどで進めなければならず、かなり面倒な様だ。


 バラスト面への散布は貨車に固定された散布機で行われる市販の散布用具を改造して作られている様子。手持ち散布で線路端に噴霧、職員はおろか運転士も大きなマスクをして薬剤を吸わないように気をつけている。


 千頭駅付近の2つの踏切には職員が立ち手旗誘導で列車を通す。散布の都合なのか遮断機は下ろされず最徐行で列車を通過させる。滅多に見られないシーンを目撃できた。


 千頭駅に到着すると構内を行ったり来たり何往復もしていた。やがて134列車が到着して先着していた132列車で使用した編成との連結作業が行われる。2列車併結して下り始発の201列車となる。後部の編成は途中の接岨峡温泉止まりとなり再び千頭へ戻る。いわば上り列車の車両確保のための回送のような感じである。


 8:45発の201列車が6番線に据え付けられると空いた線へ除草剤散布が行われる。タンクの高さも機関車の屋根高擦れ擦れになっているのが分かる。そして201列車の発車と共に千頭を出る。この時点では青空が望め、湿気もなく心地よい朝と言った感じ。


 9:17 川根両国を発車する除草剤散布列車、定期列車のスジよりもかなり遅い速度で進む。そしてDD20の井川側の運転台は通常使われる事がないため、扇風機などの空調・通風設備が整えられておらず、風が抜けずに大変な環境だと言う。徐々に蒸し暑くなる沿線に運転士も大変だろう。


 沢間駅を通過した除草剤散布列車。前方からだと機関車の陰になり分かりづらい部分が後追いなら良く分かる。列車が通り過ぎた後の臭いは相当なもの。マスクもせずに作業をしたら大変なことになるだろう。


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