’ 0 8 夏 の 大 井 川


 翌17日(日)、この日は井川線の千頭〜奥泉間にDB1牽引の「かわかぜ」号が運転される。新金谷を早朝6時に出発して車を北上させ、寸又川橋梁対岸へ向かう。
 8:35前、シャリシャリとチェーン駆動の音が響きDB1型機関車とcスハフ1型の姿が現れる。機関車は昭和27年製、そして牽かれる客車は昭和28年製。ともに製造から55年・56年経った古豪車輌。それが今もなお現役で走っている。


 ここ数年運転されていた「かわかぜ」号は、千頭駅と次の駅である川根両国駅の1駅間で乗車時間は僅か5分ほどの区間のみで運転されていたが、今年は運転日数こそ減少したものの、運転区間が大幅に拡大し奥泉駅までの30分となった。
 これは、乗る人・撮る人にとっても嬉しいイベントではないだろうか。


 列車の速度は時速15kmほど。車で追えば十分に先行して次のポイントで撮影出来る。
8:45、川根小山駅を発車した列車が小山集落に顔を出す。雄大な大井川流域の緑の中に赤とクリームに塗られた列車がノンビリと走りぬける。


 終点の奥泉駅まであと1kmほど。車輪を軋ませながら急カーブを行く列車。昭和60年頃までは普通に見られた井川線の通常列車の姿がここに復活!


 奥泉駅に到着するとすぐに機関車の付け替えが行われる。本線同様に井川線も入換作業がとても素早い。この機関車、本来は工場や専用線などで比較的、短区間での車輌牽引を目的にされた産業用機関車。
 元々、ダムや発電所建設資材を運ぶために造られた鉄道であるが故に、この機関車がある。車で言うところのマニュアル車で、変速にはクラッチ操作を必要とするため、扱いにもコツが必要である。


滅多にお目にかかれない為か、奥泉駅の職員もその様子に見入る。


 折り返し列車の撮影のため、川根小山駅へ向かう。すると、車で訪れた家族連れが201列車に乗車する様子。地元の利用が大半な駅から観光のお客さんが乗車。これもなかなか見られない光景なのでパチリ。


 9:35、201列車の奥泉到着を待って発車した「かわかぜ」号が川根小山駅に到着。静かな山の中の駅に機関車のエンジン音だけが響く。


 9:36、警笛を鳴らして川根小山駅を発車する「かわかぜ」号。運転操作機器がエンジンルーム側の一方に向いているため、帰りは上体を反らせて前方を望むスタイルでの運転になる(車で言うバックでずっと走る感じ)。この状態での長時間乗務は相当疲れるであろう。


 土本駅〜沢間駅間で、道路が鉄路を跨ぐ区間がある。ここで森の中を行く列車をイメージしての一枚。夏の青々とした緑に暖色系の車輌が映える。


 まもなく川根両国駅に到着。その手前に架かる「両国吊橋」を掠めて列車は走る。大井川に架かる吊橋は生活路。一部は観光にも利用されているが、本来は沿岸に住む方々のかけがえのない道なのである。


 千頭駅に着いた「かわかぜ」号は、客車を切り離して機関車だけ車輌区へ戻ってきた。入換えの為に職員が箱乗り状態になり移動を開始する。


 現在、旅客列車の主力として活躍するDD20型機関車の脇を車輌区へ戻るDB1型機関車。
現在、井川線ではATS設置工事が進められているが、車輌構造及び機器設置スペースの関係などから、DB1型へATS機器の設置が出来ない状態にある。保安装置の設置がないために、本線走行がどうなるか...


時間があったので本線へ移動して第二橋梁を行く1001列車を撮影。この日はC56が先頭に立っていた。


 昼食を済ませて、駅前で披露されていた「赤石太鼓」を見てから接岨峡温泉へ移動する道すがら、不定期列車の502列車に「かわかぜ」号で使用されたcスハフ1型客車が連結されていたので撮影。アプト区間を行く502列車。


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