晩 秋 の 大 井 川


 11月28日(月)早朝、眩しい朝焼けが照りつける代官町駅に到着。深々と冷え込むホームに下り列車を待つ人々が姿を見せる。朝焼けに鋭く輝くレールがひと際眩しい。


 4レ・6レと沿線の学校・幼稚園に通う通学列車が約20分おきにやってくる。列車から降り立つ子供達の賑やかな声がホームを包む。地方ローカル線が一番活気立つ時間帯だ。


 通学客輸送が追いついた頃、下り5レが神尾を発車する。駅前の大銀杏は今が見頃とばかりに黄色い葉を枝いっぱいに広げて列車を見送る。朝晩の通学客を除くとほとんど利用客のない神尾でひと際目立つ存在。


 5レと隣の福用で離合してくる8レを見送ると保線職員がそそくさと支度を始める。トロッコとヤグラをレール上に乗せるとすぐ金谷方面へ移動してゆく。架線の点検を行いつつ、ゆっくりと進んでゆく。


神尾から福用へ移動する途中、道路脇から線路を見下ろすと両脇一面にススキが広がっている。

晩秋の鉄路を10レがゆっくりと走り抜けていく。


 田野口へ移動すると、線路端には秋を彩る植物が散見される。そして銀杏が徐々に葉を落とし小道に降り積もってゆく。列車が通り抜けると風圧で舞い、またその数を増す。


茶畑が広がる山里の秋。茶の緑に銀杏の葉の色付きが艶やかさを演出する。

汽笛を響かせてSL急行が通過してゆく。


陽が傾き始めた15時半頃、上りSL急行が大銀杏の脇を通過。紅葉する銀杏・風にそよぐススキ。まもなく冬を迎える。


 田野口から北上し、崎平を経由して井川線沢間駅へ。17時を過ぎあたりが闇に包まれ始めるころ、接岨峡温泉行き列車が駅を発車する。駅近くの民家にはクリスマスイルミネーションが飾りつけられ、列車を見送る。沿線では珍しい光景だ。


 夕飯を済ませて18:25の崎平駅へ。冷え込む空気を温める一つの裸電球が駅構内を照らす。列車は乗降もなく静かに終点を目指して発車してゆく。その終点、千頭駅脇の楓は街灯に照らされて、夜も輝きを見せていた。


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