紫 陽 花 咲 く 頃 の 川 根 路


18時過ぎ、駅舎・ホーム共に灯りが点される。薄暮の青部に18:13発の金谷行きが到着。列車の乗降はない。


 陽もどっぷりと暮れた19:47、千頭行き普通列車が到着。駅舎の窓越しに漏れる灯りが冷たい地べたに温もりを与え列車の前照灯が闇夜を温める。古き駅舎に古豪電車、今現在の大井川で一番似合う組み合わせだ。


電球の色とはこれほどまで周囲に温もりを与えるものなのだろうか。作り出された空間ではなく、必然的に出来た温もりの空間。


 やがて20時を過ぎ、上り金谷行き最終列車が青部を発車する。20時台に最終列車とは早く感じるかも知れないが、過疎地域の鉄道にあっては普通の時間なのかも知れない。この日、この駅にこれから着く列車は下り3本のみ...。


昭和6年に建てられた青部駅。その佇まいを今に残し毎日列車を見送る。その木目と白熱電球の灯りが歴史を伝える。


誰もいなくなったホームの待合場、駅名表だけが照明に照らされてひと際目立っていた。静かに夜が更けてゆく。


駅舎の窓ガラスに映し出されたホーム待合場の駅名表が哀愁を漂わせる...


完全に闇に包まれた青部に列車が着く。時間調整で少々の停車、この隙?に思い思いのカットを撮影する。


午前中に降った雨が水溜りを造り駅灯りを映しだす、昼間には見せない青部駅の姿


青部での撮影を終えて一駅千頭寄りの崎平へ移動。次の列車まで1時間弱、青部と同じく昭和6年建設の駅。


幾人もの人を迎え入れた待合室に温かな光が灯る。木製のベンチに筋の入ったコンクリートの床、今の世から消えて行く昭和の逸品。

そしてこの日の夜は更けてゆく...


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