越中富山・乗り鉄撮り鉄道中


 早朝6:15の電鉄富山駅構内。3面4線の地方私鉄としては大規模なコンコースを持つ。宇奈月本線・立山線・不二越上滝線それぞれに平日の朝となると慌しく列車が発着する。並んだ車両は社型の14760型の他は全て元京阪3000系。富山地鉄でも多数派となった。


 土休日運休となる電鉄富山6:21発の岩峅寺行きに乗車し、途中の開発駅で下車。1面1線の無人駅であるが、過去には交換設備があったと思われる構内配線。古びた駅舎は意外と大きく、駅員配置駅だったことを窺わせる。隣の月岡で交換した6:55発の電鉄富山行きが着く。そろそろ通勤通学時間となる。


 開発駅から月岡駅へ向けて沿線を歩いた。その途中、やはり土休日運休となる3両編成の列車がやってきた。周囲を見渡しても大きな屋敷が多い沿線、そんな一軒をとりこんでの1枚。クハ174+10020型のこの編成は平日朝に不二越・上滝線を一往復するだけの運用で、それ以外は稲荷町の車庫で休んでいる。


 月岡駅で離合したさきほど乗車した列車が電鉄富山へ向けて戻ってきた。晴れた日なら立山の山並みをバックに見るのだが、この日は霧雲に包まれてその勇士を現してくれなかった。


 そのまま徒歩で月岡駅まで移動。暫くすると6:50に離合する列車が岩峅寺方面からやってきた。通学時間帯最後の列車になるだろうか、学生の数もそんなに多く見受けられなかった。離合する10030型に乗車して岩峅寺まで乗り通す。


 不二越・上滝線の列車が8時調度に岩峅寺へ着く。そして立山線の上下列車が8:03・8:04発と効率よく乗り換えが出来るダイヤが組まれている。不二越・上滝線からの乗客の大半が学生で寺田方面行きに乗り換えて行った。


 岩峅寺駅は文字通り、北陸最大の神社建築で国宝に指定される「前立社檀」の岩峅寺最寄の駅。立山参拝の拠点となったところでもある。「峅」の字は富山独特地名に使われる漢字でこの「くら」には神や精霊の来臨する場所という意味があるという。
 その地の駅に恥じない風格を現す岩峅寺駅は日中のみ嘱託の駅員が配置されている。


 岩峅寺8:46発の列車は不二越・上滝線の運用から立山線へ回って電鉄富山へ戻る土休日運休の列車。不二越・上滝線の通勤通学輸送に増結された3両編成である。もうこの時間になると車内も閑散としてくる。
 寺田駅が近づくと右手から宇奈月本線が近づいてくる。ちょうど時を同じくして快速急行の電鉄富山行きがやってきた。


 9:03に寺田に着くと2分の待ち合わせで滑川行き下り列車に連絡。待ち時間なしで乗り換えできる見事なダイヤが組まれている。その列車に上市駅まで乗車。一端下車して隣のコンビニで朝食を購入。9:36発の宇奈月温泉行きに乗る。この上市駅はスイッチバック駅となっており、列車の進行方向が変わる。電鉄富山行き列車の到着を待って発車となる。


 10:44に宇奈月温泉駅に着く。駅前には温泉街らしく吹き上げる温泉のモニュメント。ここから徒歩で300mほど移動すると黒部峡谷鉄道の宇奈月駅に着く。雪深い黒部川上流へ向かう鉄路は冬期運休となる珍しい鉄道。元々は黒部川の電源開発の為に敷かれた専用鉄道。後に地方鉄道化し関西電力が運営していたが、1971年に分社、現在の黒部峡谷鉄道となった。大井川鐵道井川線と同じような歴史を辿る。


 全列車が電機牽引の客車列車であり、その数は138両を数える。旅客列車は基本的に13両編成が組まれている。
窓のないオープン客車はボハ1000型(左)で4人掛けのベンチシートが並ぶ一般車。渓谷美を楽しむのも風を受けるのもこの車両が一番よいだろう。そして窓・ドアをつけた特別車がボハ2000型(中)で乗車には特別車券(360円)が必要になる。そして転換クロスシートを備えたリラックス車あボハ2500・2800型(右)でリラックス券(520円)が別途かかる。さらに天井まで窓を回したボハ3000型も1両在籍する。この他に2軸のハ型があるが一般旅客には使われていないようだ。


 宇奈月の構内は広く、客車をはじめ様々な貨車・機関車が留置されている。冬期運休時はここに全ての車両が集まり整備を受ける。
11:06発の欅平行きが発車準備を整える。ホームではワゴン一杯に商品を載せた売り子さんが各車両を回って商品の販売に余念がない。終点まで1時間20分ほど、途中下車しない限り飲食物を購入することが出来ない。


 発車して暫くするとダム湖を回りこむようにして進む。まだまだ川幅は広く流れもゆるやかなところ、その傍らには新柳河原発電所が建つ。西洋のお城をイメージした建物が特徴的だ。


 EDM型機関車が重連で13両の客車を牽引する。オープン客車7両+特別車(またはリラックス車)6両が基本となる。背丈の低いナロー規格の車両、機関車はさらに低く、乗務員は屈みこむ様にして乗務する。
 EDM型はED型をモジュール(更新)した機関車でさらにリニューアルしたものをEDR(リニューアル)型と形式分けしている。


 途中の各駅で対向列車と離合する。旅客扱い駅は黒薙・鐘釣・欅平のみ、中間駅の最寄には発電所や電力関係の施設がならび、その施設への職員用として配置されているようだ。その各駅へ止まる関西電力の貸切列車と交換。ハ型客車にトロッコが一番後ろに連結されていた。


 約25分で最初の旅客駅「黒薙」に着く。降りたの女性二人だけ、ここは黒薙温泉(一軒宿)以外は何もないと言える駅、温泉にでも行くのだろうか。珍しい降車客に乗客も興味津々。


 排泥設備が整えられた出し平ダム。まだまだ雪解け水が多いようで上部からも放水している。さらに山を登ると猫又駅へ。ここは黒部川第二発電所・新黒部川第二発電所の最寄。72000kw・74200kwの出力を持つ大きな発電所が並ぶ。


延々と山を駆け上り終点の欅平に到着。降車確認がなされるとすぐに機回しが行われ、客車を側線に引き上げる。


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