春寒の川根路・神尾たぬき村開村


 新金谷16:18、下り千頭行きが入線する。2番線には金谷行きSL急行102レが発車を待つ。朝方の寒さ・雨がウソの様な青空と暖かな西日がホームを照らす。


 新金谷16:21発の千頭行きは新聞輸送を担う。金谷寄りドア付近には主要駅向けの新聞の束が積み込まれる。数分の停車時間があるのはこの新聞積込のため、旅客以外の大事な収入源でもある。包みには小荷物切符が貼り付けられている。


 西日の差し込む車内は暖房と相まってとても温かく、その空気は眠気を誘う。温かかった車内ともお別れ、外に出ると一気に冷たい風にさらされます。西日も山影に落ち段々と暗くなっていく。


 17:21 日もすっかり伸び17時半近くになっても明るい田野口。空を覆った雪雲は東に流れ青空を覗かせる。ホーム下の水溜りが昼頃までの雨の名残り、山の天気は変わりやすい。


17:58 やっと薄暗くなった田野口に上り列車が滑り込む。駅舎には白熱灯が灯り冷たい空気をほんの僅かだが温めて降車客を迎える。


開業以来の木造駅舎。昭和5年建築の田野口駅は今年75歳。今なお現役、改札上の白熱灯が木造駅舎に映える。


 田野口から崎平へ移動する。山の稜線が空の色と同化するころ付近は一層寒さが増す。無人駅の崎平、誰もいない駅舎に灯る温かな明かりが数少ない乗客を待つ。


 小さな駅の駅舎、昔は駅員が駐在し家族が生活を共にしたと言う。その駅舎も待合室以外の灯りが消えてかなりの月日が経つ。両駅とも過去には交換設備を持ち頻繁に列車交換が行われた駅でもある。小さな駅に似つかわない大きな駅舎はその歴史を今に伝える。


 交換設備のあった頃、現在のホームから構内踏切を渡り改札口へと続いていた。単線化・無人化でホームから道路へ直接降りられる様になると構内踏切もなくなり改札口も役目を失った。待合室はほとんど使われなくなり資材が置かれていた。


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