初 秋 の 大 井 川 ’0 5


9月末の大井川、各駅には秋を迎える花々が彩りを添える。

無人駅の花壇が綺麗に整備されているのは地元と鉄道との深い繋がりの印。


 7:20 下り3レと上り6レが福用駅で離合する。下りは川根高校・上りは金谷方面への幼稚園・小学校・中学校の通学列車となる時間帯。駅まで送りにきたお母さんがわが子を笑顔で見送ります。


コスモスにススキ、秋を代表する草花が線路沿いにところ狭しと並ぶ


 静岡県の補助を受け、田野口駅が整備されている。ワンマン化以降、出札口・荷受窓口などが塞がれ殺風景だった待合室が駅員配置時代の面影を取り戻した。痛んでいた屋根瓦も取り替えられ、ホーム上屋・ベンチの塗装も行なわれた。


 駅長が列車停車位置で待つ。ゆっくりとホームに進入する列車はそこを目標に速度を落す。乗客の安全を守るため、当たり前に見られた駅員の姿も監視モニターに変わりその姿をほとんど見なくなった。ここ新金谷では通票の受け渡しの関係もあり全列車に対して駅員がホームに立つ。


 普通列車のあとSL急行が到着する、普通列車では見られないほどの乗客がホームを埋め尽くす。ホーム先端でビデオを回す親子連れ、到着と同時に大急ぎで列車に乗っていった。


昭和51年から大井川で活躍を続けるC11227、今年で29年目の川根路を力強く駆け抜ける。

11:55、勢いよく蒸気を噴き出し千頭へ向けて発車する。


 101レ発車後、ロケが行なわれるためC11190が転線、客車をつなげるまでの間、投炭が繰り返される。火室の中では煌々と赤い炎が燃え滾る。このロケのため機関車の向きが金谷向きに変えられていた。


 やがてエキストラの面々がホームに上がる。出兵する軍人を見送るシーンの撮影のようだ。暫くすると振り付けの確認などが行なわれ、旅客列車が発車していくと左の列車が転線しホームに据えられる。


 14:43 普段は2番線に到着する金谷行き列車がロケのため2番線が使えないため1番線へ進入。千頭発の列車で1番線に到着するのは稀なこと、こういうイレギュラーの対応も慣れからか素早い!


新金谷で102レの到着と離合して千頭へ向かう列車で再び田野口へ。薄暗くなった駅周りの花々が列車を見送る。


 18:50 すっかり暗くなった田野口駅に下り列車が到着。列車の窓明かりでホームの花々が照らし出される。そして列車は乗降もなく静かに千頭へ向かう。


夜になるとすっかり秋の冷たい風がホームを吹き抜ける。

そのたびに小さな音を発てて左右に転がる空き缶、誰もいないホームに寂しくその音が響く。


小さな川べりの駅から上り列車が発車、川面に窓明かりを落しつつゆっくりと金谷へ向かう終列車、並走する道路の車が少なくなることを期待したが叶わなかった。


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送