2005年 新春の大井川


 家山をあとにして田野口へ向う車中、小さな子供を連れたお父さん・お母さんの姿が目につきます。運転台を覗き込んだり兄弟で遊んだり...片や列車交換があれば車窓を眺める親子も見られる。子供の元気な姿が見られるのも鉄道らしさ。


 「届かないよ〜」と何度も何度も椅子の上でジャンプ、隣の遮光幕と同じ高さにしたい様子。お母さんは「頑張れ頑張れ」と声をかけるだけ。自分で出来たときの喜びを知ってほしいのだろうか。


 田野口で遅い昼食をとり再び列車に乗り駿河徳山へ。すぐ交換する1002レに飛び乗り家山までの汽車旅を味わう。この日はロケにも使われるニス塗り・白熱灯の客車が連結されていた。迷わず乗ると小幅に窓を開け沿線光景を眺める乗客の姿があった。


 陶器の洗面台・鉄の蛇口・木枠の摩りガラス...古き良き時代を現代に伝えるアイテムがここそこにあります。その摩りガラスに文字が抜かれている。「三等」、グリーン車・普通車と呼ばれる前の普通車に当たる「三等」。その文字から車内を望むと斜陽の光と白熱灯の温かい光が車内を照らしていた。


 しかしトンネルに入ると白熱灯の明かりだけでは十分な照度を得られているとは思えないほど暗く感じる。僅かな光がニス塗り木部に輝きを与える。蛍光灯にない温かさを感じる照明、老朽化が激しくなった車両だがいつまでも活躍してもらいたいもの。


第一橋梁を渡る1002レ、斜陽が白煙に輝きを与え汽笛を響かせ通過していく


 まもなく家山、駅進入に乗降ドアを開け前方を注視する車掌。手動扉だからこそ出来る芸当!1002レ発車後に1本の普通列車が着く。徐々に徐々に陽が傾き陰を長く伸ばす。


 汽笛が聞こえ102レの入線時刻となる。この日は家山から乗車する団体さんでホームも一杯に。SLが姿を見せると「格好良い!」「すげ〜」と声が聞こえ身を乗りだしてカメラを向ける。無我夢中で写真を撮る人々に注意を促す様に小さな汽笛を鳴らす。


ホームを埋め尽くすお客さんの姿に驚きの様子を見せる車内の子供。千頭からの汽車旅は楽しかっただろうか。


初めてSLに乗ると言うお二人。カメラを託され記念写真を撮ったついでに一枚撮らせて頂いた。これから新金谷まで汽車旅を堪能します。



冬場の穏やかな陽射しの大井川、SL急行到着前後の賑わいが唯一の華やかさだった。


                                     

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