サンライズ出雲で行く 山陰湯巡り旅


 8時に朝食をとり、9時過ぎにバス停まで送って頂く。日帰り入浴の場合は送迎はないため、新池田のバス停からアップダウンのある道を徒歩で30分ほど要する。
 9:26発の三瓶温泉方面行きに乗る。車内を見ると乗客はゼロ、そして久々に木床のバスを見た!!石見交通をはじめ、島根県内のバス事業者はバスカードを導入しているため、カードリーダーが搭載されているが、まさかそんなシステムが整っている車でも木床車があるとは思わなかった。


 9:42、温泉下の町バス停で下車する。バス停目の前には「亀の湯」があり、一般客も日帰り利用が可能になっている。各サイトでも加温はしていないが朝から利用可能だとあったので、行って見る事にしたわけだが...


 浴室を覗いてみると、湯は注がれているが、浴槽の栓は外されていてそのまま排水されてしまっている。
 マジですか??と思い、管理されている正面の商店で話を聞いてみると今は昼過ぎからしか湯を張らないとの事。
 完全に外してしまった。どうせ湯を出しているなら栓だけでもしておけばいいのに...


 仕方ないので、温泉下の町から温泉場へ戻る。きつい坂を上って温泉上の町バス停(一区間)に戻ると、元々はタクシーの営業所があったであろう建物が待合所になっていた。中にはテーブルと4脚の椅子、脇には木製ベンチが2つある。その一つに「トップコーラ」の記載が。調べても出て来ないが、なんだろうか??
 三瓶温泉は数軒の宿が営業しているだけの寂れた温泉場の雰囲気が漂っていた。道端のホテルも閉館しているところばかりで、食堂と土産物屋と饅頭屋が1軒づつ営業しているに過ぎなかった。


 温泉場の外れ「奥の湯入口」バス停の傍らから山の中へ延びる道があり、入口に「お宿湯元」と書かれた木製看板が申し訳なさげに立っている。その道を300mほど登っていくと一軒の宿が姿を見せる。


 三瓶温泉の源泉に一番近い「湯元旅館」。何せ宿泊客がないと宿の方が出かけてしまう事が多く、日帰り入浴は電話で確認しておかねばならないくらい入れる可能性が低い。そんな宿に電話確認もせずに向かったオイラは愚か者...
 宿に着いて玄関を開けようとしたら照明は点いているのに鍵が掛かっている。ドアを叩くと女将さんらしき人が出てきた。日帰り入浴を申し出ると11時に出かけなければならないので、それまでだったら...と受付てくれた。何とも運のよいお話!


 入浴料500円を払って浴場へ案内して頂く。脱衣場に入ると浴室からザァーっと言う大きな音が聞こえている。扉を開け浴室に入ると...そこには、湯舟から溢れ出た湯が床面を埋め尽くすくらいに湯が流れ出ている。
 石組の給湯口から浴槽に流れ込む湯は体温程度でゆっくり浸かるには最高。
 そんな湯がこれでもか!ってほどに流れている。


 土類が多いため、浴槽は茶褐色に染まる。底には泥が溜まっていて、掬いあげる事が出来るほど堆積している。


 お借りしたタオルを浴槽の淵に置いておいたら、みるみる茶色に染まっていくのが判った。こりゃ肌着が汚れると言われるだけの事はある!
 豪快な浴室の隣には一回り小さな浴室がある。泥湯と書かれていたが、湯を入替えたばかりだったので、泥はそんなに溜まっていなかった。底からボコボコと湧き出る湯が凄い!

 ゆっくり浸からせて頂いて11時前に宿を出る。三瓶の町に戻ってバス停に行くと...次のバスは12:40発。2時間ほど時間があったが、何もない街...温泉上の町の待合所で転寝をしてしまった。


 三瓶温泉12:40発の路線バスに乗車して大田市駅まで戻ります。車窓右手には三瓶山が見え、麓は一面の緑、散策している方々の姿も見えます。
 バス停の名にもなっている「定めの松」が見える。その昔、雪に埋もれてしまうと判らなくなる一里塚の代わりとして松を植えたのだとか。本来は通りの両側に植えられていたそうだが、左手の松は松喰い虫の被害で枯れてしまったという。


 大田市駅には13:25頃に着く。時刻表を見ると次の出雲市行き普通列車は14:14発。50分近く待つことになるが、駅前にはこれといったものがない。待合室で駅備え付けのパンフを見ながら時間を潰す。
 14:10、やってきたのはキハ120型の単行。本線と言われるものの閑散区間はこんなものか...。乗ってみて判ったが、1両でも十分なくらいの乗客数であった。

 まもなく西出雲というところで、出雲車輌支部の構内が広がり、今夜乗車するサンライズ出雲が待機しているのが見えた。


 15:03、L特急やくも11号が到着する。岡山を昼過ぎに出て約3時間で出雲市へ着く。このやくも号など岡山方面からの直通列車を運行する関係で、山陰本線も米子から出雲市まで(正確には西出雲)電化されている。


 出雲市駅から15:30発の一畑バスに乗車して、前日訪れた出雲大社前駅へ。
着いてみると、普段使われない2番線に列車が入っていて、行き先幕を見てみると「臨時」の表示。しかも重連が組まれている。これは珍しい!と近くに架かる堀川の橋梁へ。
 出雲大社前に16:15着の定期列車が橋梁を渡っていく。この日は2100系の後期入線の2扉車。


16:16、定期列車が到着するとすぐに「臨時」列車が発車する。出雲大社前からの乗車はない模様で、空のまま発車していった。


 大社線は一閉塞のため、臨時列車が川跡駅に着かない限り定期列車も運行出来ない。出雲大社前を16:31に発車する列車に乗り込み川跡へ。この頃から雨が降り出したが、まだ傘をささずに撮影出来る程度。
 川跡に並ぶ列車は、左から大社線・電鉄出雲市行き・松江しんじ湖温泉行き。松江方面行きは乗り得な5000系だ。16:45発の電鉄出雲市行きに乗り、再び出雲市へ戻る。


 今日の帰りは18:55発のサンライズ出雲号。電鉄出雲市駅に着いたのが16:54でまだまだ時間がある。
 そこで、出雲市駅隣接の日帰り温泉施設があるので行ってみた。
 本当に駅の隣接施設と言った感じに立っている和風の建物は、居酒屋とも繋がっている。
 地下1800mから湧出する「含鉄-カルシウム・ナトリウム-塩化物泉」を加温(源泉27℃台)して掛け流している。浴室を覗くと内湯と個人用浴槽の露天が3つ見える。遠目に見ても茶褐色。まさか、駅真ん前の新興施設でこれほどの湯に出会えるとは思わなかった。

 そして、露天に入っていると、隣のオヤジさんともう一つ隣の浴槽に入っていた若者が静岡の温泉の話をしていた。
聞いていると、長岡温泉や寸又峡温泉など広範囲な話題。そこで驚きの事実!!

 なんと、一番端の浴槽に浸かっていた若者が「伊東に帰る」と言う。

 え??と思い声を掛けてしまった。
 聞けば都内の大学に籍をおく4年生で、単位もとれ部活も終わったので一人旅をしていて、これから実家のある伊東にサンライズで帰るそうだ。
 しかも、会社から1kmも離れていないところに実家のある電気工事屋の息子だった!

 物凄い偶然に驚き、同じ列車で帰ると言う事も判ったので、車内で呑んで帰ろうと...


 山陰本線の普通列車の遅れなどもあり、18:42入線予定が18:50頃の入線となったサンライズ出雲号。乗車するのは一番後ろの1号車シングル。入線した列車を先頭から撮っている時間もなく、後部でサッと撮影して乗車する。


 出雲市発の列車で唯一「東京」を示すサンライズ出雲号。1号車は廊下自体も2階層になっていて、自分は2階の宍道湖側のシングルを予約した。しかし、外は雨...夕陽に輝く宍道湖を眺めながらと言うのは絶望的。


 大学生の彼はシングルより少し安いソロに乗車していた。ソロのある3号車にはミニロビーがあるため、ここで待ち合わせをして買い込んだ弁当や酒を嗜む。終始一人旅の予定だったが、ここで嬉しい誤算。ご当地焼酎と氷を買い込んで車窓を眺めながら列車の夜を楽しむ。

 車窓に宍道湖を望むが雨雲で薄暗く、対岸の街灯かりも思うように見えなかった。
 この後、米子から乗車してきたおじさん方と意気投合して岡山到着まで呑み続ける結果に...全然沿線の光景など覚えていません(笑

 何時に就寝したのかもわからないまま、携帯の目覚ましで目覚めたのは沼津に到着する寸前。

 大急ぎで身支度を整えて、定刻の5:43に熱海へ到着。3号車の彼もしっかり起きれた様で一緒に伊東線ホームへ移動。

 熱海5:50発伊東行きに乗車して、今回の旅を終えた。


                           

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