サンライズ出雲で行く 山陰湯巡り旅


 2009年の鉄旅は冬場を避けて、少し暖かくなった5月にした。
 5月18日(月)、毎度お馴染みになった22:41発 伊東線上り最終列車。見慣れた伊豆急8000系に乗り込むと乗客は僅か。伊豆急からの接続を待っての発車となります。


 伊東線最終は23:04に熱海へ。その足で駅前のコンビニへ向かい、飲食物の仕入れを済ませて熱海駅2番線ホームへ。
23:15発の沼津行きが発車して暫く、構内に案内放送が流れ、寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」が入線する。

 今現在、東海道本線東京口に発着する寝台列車はこの1本のみ、何とも寂しくなり鉄道旅行の楽しみを半減させてしまった。


 今回の行きは乗車区間が短いため、寝台を取らず指定席特急券で利用出来る「ノビノビ座席」にしてみた。
少しでも静かな方が良いと思い、一番端の7B席を確保。周りは意外と静かで、鼾もそう聞こえない。利用料金の安さからか、かなりの席が埋まっていた。

 23:23、定刻に熱海を発車したサンライズ出雲は車窓に流れる町灯かり、駿河湾に浮かぶ漁船の灯かりを眺めながら沼津・富士・静岡・浜松と県内主要駅に停車していく。
 そして列車の揺れに身を任せて就寝。


 5月19日(火) 5:20に携帯の目覚ましで目が覚める。周りのお客さんに迷惑にならない様に静かに下車の支度をする。
 5:26、姫路を定刻に発車、この日は順調に運行されている様子である。次が下車駅の上郡。
 上郡駅はホーム有効長の関係で前後3両ずつがホームにかからないため、ドアカット扱いとなる。12号車に乗車していた自分は車内散策を兼ねて10号車のデッキまで移動。
 5:49定刻、上郡に到着。後方を見てみると、なるほど最後尾は遥かホームの先であった。


 上郡は関西圏と岡山圏との境界的要素をもつ駅。発車してゆくサンライズ瀬戸・出雲の傍らには側線が広がり、岡山圏への列車が留置されている。山峡の小さな駅は、鳥取方面への連絡路線、智頭急行が分岐している。

 このサンライズ瀬戸・出雲に接続して鳥取圏を結ぶ「スーパーいなば91号」に乗るためホームで待つ。


 6:00、岡山が始発になる「スーパーいなば91号」は上郡でスイッチバックして智頭急行線へ入る。約3分の停車時間中に乗務員交代等を行い、6:03に上郡を発車する。
 使用される車輌は中国・山陰地方ではお馴染みの顔となったキハ187系2両編成。


 車内は電球色の照明にシンプルな構造の回転クロスシート。早朝の列車だからか、利用客は僅か。
 智頭急行線内では、自社発注車HOT3500型が通勤通学客を乗せて何本かと擦れ違った。車輌は智頭急行線内から因美線経由で鳥取まで運用されている。


 7:08、因美線郡家駅で途中下車。対向列車を待つ「スーパーいなば91号」。車体側面には鳥取県の花「梨」が描かれている。また、足元を見ると、この車輌が制御振り子式車輌である証の振子電磁弁装置箱が見られる。


 郡家駅は第三セクター「若桜鉄道」の接続駅でもある。しかし、列車は50分以上待たねば来ないため、駅前に発着する日本交通バスに乗車して、若桜駅前まで向かう事に。
 7:29発のバスに乗車して若桜駅前まで620円(鉄道は420円)、列車のない時間帯にバスが上手く運行されていて、沿線利用者の不便さを解消しているようだ。


 若桜鉄道若桜駅の駅舎は登録有形文化財に指定されていて、駅前にはそれを示す表示がなされている。
 本社機能・車庫・検車場もこの駅に集約されており、常に職員がいるのだが、使われなくなった改札には、人形の駅員が立っていたり、構内にも人形が数点あった。ちょっと愛嬌ある人形がいい雰囲気。


 構内の外れ、転車台脇にはC12167号機が展示されている。この機関車、圧縮空気を使って走る「空気機関車」である。石炭を燃やさずに圧縮空気だけで走るため、エコ機関車と同社サイトでは謳っているが...
 可動状態に整備された事は高く評価出来ますね。年に何度か体験運転等を行っているようです。


 木造駅舎のある本線に2本の側線、駅舎の奥には検修線があり、若桜鉄道の車輌の整備を行う。列車のない時間帯は本当に長閑で静かな駅である。


 8:23に到着した列車は3両編成。1運用前がちょうど通勤通学のピークとなる時間だからであろうか。先頭には平成13年に増備(宝くじ協会寄贈)されたWT3300型が連結されていた。
 折り返しの8:29発は、このWT3300型が切り離されWT3000型2両編成となった。WT3000型は若桜鉄道移管に伴い昭和62年に製造された車両。ドア付近ロングシートに中央部にボックスシートが8組並ぶ。


 8:59に郡家駅1番線に到着。3番線には接続する9:03発の鳥取行きキハ47型3両、やがて2番線には9:02発の「スーパーはくと4号」が到着。小さな駅がディーゼルエンジン音で賑やかになる。
 
 若桜鉄道の車輌はこの後の9:12発鳥取行きとなる。僅か9分後に運用されるため、9:03発に乗り換える乗客が大半であったが、急がない方なのだろうか、数人が車内に残っていた。


 かと言う自分も若桜鉄道車に居残り鳥取まで乗車。直通運転なのでJRの乗務員に交代するかと思ったら、運転士・車掌共に若桜鉄道の乗務員が鳥取まで乗務していた。若桜地区の利便性を考慮しての直通運転なのだろうか。
 この列車で鳥取に着くのが9:25。倉吉行きが2分待ち、浜坂行きが3分待ちで連絡していて非常に接続が良い。
 倉吉行きはキハ121とキハ126の3両編成。鳥取・島根両県の支援を受けて製造された山陰線近代化に一躍買っている車輌だ。


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