井川線に臨貨が走った日!

 2004年の大井川初入りは大勢の方々に遅れること1週間後の1月9日、とうぜん注連縄飾りをつけた蒸機を拝めるわけもなく単なる金曜日、静かな川根路へ...と思った矢先、なんとこの日に井川線で臨時貨物があると言う。しかも滅多に走る事のないcト100形2両だ。
 こりゃ日章旗だの注連縄飾りだなんて目じゃないぞ!とばかりに本線差し置いて一路千頭へ向かう。新年初撮影は思いっきり貴重なお年玉付となった。


 まずは貨車の引取りに向かうDLの単機回送から。井川線の主力DL DD20単機を沢間〜土本間の三叉橋で狙う。予定時刻を過ぎてウヤになったのでは?と一抹の不安を感じたが3分ほど遅れてやってきた。千頭〜川根両国間の単機回送はしょっちゅう見られるがそれ以北ではなかなかお目にかかれない!


 木立の中を走り抜けるDL単回の姿は森林鉄道そのもの。しかし川沿いに目を移すととんでもなく険しいところに線路を敷いた事が判る。多くの犠牲を出して敷設された井川線の歴史も忘れてはならないものであろう。


 この臨貨はアプト市代の検修区にあるクレーンの検査の為に死重を積んだcト100形を利用した事で発生したもの。コンクリートブロックの死重を載せたままクレーンで車両ごと吊り上げて検査をしたという。重量・サイズなど面もありcトキ200形ではなくcト100形に白羽の矢がたったわけだ。
単回されたDLはいったんホーム側本線に入り引込み線へ転線、さらに検修区側へ転線し貨車と連結。逆のルートで本線上に出て川根両国へ戻る。


 アプト市代を発車した臨貨はノンストップで川根両国へ戻る。cト100形に積まれた死重は各車2個、いったいどの位の重量があるのだろうか。


 川根小山へ先回りし通過風景を狙う。構内を減速し進む列車が刻むジョイント音は2軸車特有の短いテンポ。これを聞けるのも滅多にないことだ。


 多くの貨車が留置されている川根両国に着く臨貨、かなりの貨車が客車へ改造されたり廃車になったりしたがいまだに20両近い貨車を保有する井川線。元来は貨物主体の産業用鉄道だったことがうかがい知れる。
 列車はDLを機回しして死重の乗替えのために車両区へ。その作業が終わると留置線へ他の貨車と共に移動させられる。


 機回しの済んだ列車の手ブレーキを解除し入換作業に入る。機関士はエンド交換せず誘導員の手旗現示を注視しつつ構内へと入換を行った。息の合った連係プレイが見られる。

 この後、死重のブロックを他の貨車へ積み替える作業とお昼休憩。定期列車の閉塞をみて13:40頃から留置線への入換作業が行われる。

 入換の待ち時間に101レを撮影。この日はC11312に茶客3両、棚引く煙も満足いくものだが...この列車の乗客は1桁だと後から聞いた。冬場の平日で不通区間がある為か例年より乗客数も激減していることだろう。


 川根両国に留置されているcトキ200形を中心にした貨車群。アプト区間を通過する為の引き通し線が通され綺麗に整備されている。活躍する日があるのだろうか。
 そして13:40過ぎ、車両区からの入換が始まる。普段コンクリートブロックを積んで留置されているcト100形を先頭に...堂々8両のcト100形が構内を進む!!


 DLの推進で整備されているcト100形×3両+死重を積んだ休車?のcト100形5両の編成がゆっくりと構内を進む。小型貨車ではあるがここまで組成されると結構圧倒される。


 推進運転の為に先頭の貨車に手旗誘導する職員が乗る。後方の様子を気にしつつ前方の安全確認をし機関士に手旗で伝える。その姿は真剣そのものだ。
 そして列車をDL側から後追い、尾灯でなく前照灯が灯っていたら...井川線に貨物列車再来!!そんな絵にもなるだろう。


 貨車を留置場所へ置きDLだけが戻ってくる。機関士はエンド交換することなくまたまた手旗で誘導される。川根両国の車両区に戻り今回の臨貨の行程は終了した。


滅多に見られないcト100形使用の貨レに入換とは言え長編成のcト100形。
貴重なシーンをたくさん撮ることが出来た今年最初の大井川だった。


                             

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