新茶の香り漂う 川根路の鉄路


 八十八夜を過ぎ、川根の茶摘が始まった。日本有数の茶産地川根を駆ける大井川鐵道、沿線の茶工場から漂う新茶の香り、この時期の川根は新茶の生産・出荷と慌しくなる。そんな川根路を駆ける大井川鐵道の一日を追う。


5月15日早朝、福用から撮影を開始する。下り1レがゆっくりと福用へ進入する、一番茶の摘み取りが終わった茶畑に朝陽が照りつける。

休日の一番列車、乗客の数も疎らなようだった。


朝早くから茶畑に出て摘み取りを行なう茶農家の方々、その傍らを6レが通過する。朝方だけは以前並のダイヤが組まれている。


 日曜の朝、普段なら地名で交換する3レで徳山の学校に向かう彼女も普段の装い、「遊びに出掛ける時の方が全然早起き」だと言い友達にメールする。列車での待ち合わせがこの地域では当たり前なのだ。


 本線を離れて井川線へ。この日は乗務員の試験列車が走ると聞き、土本で待つ。8:45過ぎ、「試」のヘッドマークをつけた列車が土本橋を渡る。このヘッドマークは滅多に見ることの出来ないものだ。


 試験列車を見送り沢間へ戻る。ほどなくして定期201レが沢間を発車し井川を目指す。井川線沿線でこれだけの茶畑が広がるのもここ沢間近辺だけ。緑の絨毯を横目に長編成が走り去る。


 201レを数箇所で撮影し川根小山へ。アプト市代まで行った試験列車が戻ってくる。各駅には試験用の停車位置表示が付けられてあり、停車位置の差異を測られていた。今年は2名の運転士登用が行なわれたと言う。


 川根両国まで戻ってきた試験列車、車掌が試験官なのだろうか、客車から降りてきてメジャーで停車位置から実停車位置の距離を測る。感覚を掴みピッタリと停車位置へ列車を止められる様になるのも大変な事だろう。


試験列車と川根両国で離合した下り203レを川根小山で迎え打つ。7号トンネルブチ抜きを試みる。

レール面へは上手く光が伸びたが、余計なものが...


 203レから降りた家族連れが奥泉で離合してきた402レを待つ。列車を待つ時間、記念写真を撮ったり構内で遊んだりと普段の生活では味わえない鉄道の姿を堪能している様子だった。


 203レを追って接岨峡温泉へ。202レが先着して列車の到着を待つ。到着する列車を撮影しようと車内から出た家族連れ、大きく開いた窓から身を乗り出して見入る乗客の姿が見られる。窓の開かない車両が増えた昨今、こういう経験が出来るのも良いものだろう。


 またまた203レを追って閑蔵へ。針葉樹に覆われた静かな山間の駅だがここは県庁所在地でもあり政令指定都市の静岡市。違和感を感じるかも知れないが無理な様な合併を繰り返した結果出来たもの。旧安倍郡井川村である。
 列車の乗客も何度となく見る我々を見つけては「また居た!!」と手を振ってくれる。


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送