梅雨の中休み 川根路の日常


 7月8日(日) 久々にゆっくり撮影に向かうことが出来た川根路の夜。 木造駅舎が醸し出す夜の駅風景を抜里から撮りはじめた。暗闇の中に煌々と輝く駅。人っ子一人いない無人駅、灯りの温かみが闇を包む。


 架線を支える木柱にホーローの駅名表。一昔前の駅に当たり前に見られたモノ。そのホーム上には2灯の灯り、帰りくる町人を待ち続ける。


 昭和5年開業の抜里駅、建物は一部手入れされているが、大部分が開業当時のまま。木製の改札口、ここに手を当て通り抜けた人の数だけ艶やかさを増していく。


 旧中川根町の南端の町「地名」、索道の落下物保護用の小さなトンネルがある交換駅。闇夜に輝く信号灯火が列車の安全運行を支える。まもなくこの日最後の列車交換が行われる。


 20:26 上り金谷行き最終列車が到着する。下り列車の構内進入に支障がない様に前照灯が消される。静かな駅にコンプレッサーの音が響く。降り立ったのは川根高生が一人だけであった。


 20:27 下り千頭行き列車が到着。すぐさま上り列車の前照灯が灯され発車。下りの出発信号が青になり下り列車のドアが閉められる。互いの列車の動力音が遠ざかるとまた静かな無人駅に戻る。


 夜の田野口駅 ここは近隣の元鉄道職員によって駅周辺に紫陽花が植えられ手入れされている。年々その数を増やし、季節の彩りを添える。ホームの照明に照らされ花色が浮かび上がる。


 22:20 田野口駅を最終列車が発車する。乗客は僅か数人、少なくとも利用者がいる限り、公共の足としての使命を果たし続ける。それを守るために様々な営業努力を続ける。


 翌朝、再び田野口駅へ。淡色の紫陽花が列車を見守る。始発から上り2列車・4列車・6列車と金谷方面へ、下り1列車・3列車と千頭方面への通勤通学客が列車を待つ。この時間帯だけは多くの列車が運行される。


 箱根登山鉄道沿線とまでは行かないが紫陽花街道が築かれている。鉄路との境界に人工的な柵などない、そこには自然と彩りの境界が作られている。


通勤通学の時間帯が過ぎると極端に利用者が少なくなる。上り10列車、田野口からは彼女だけ乗客。


旧本川根町の崎平へ移動する。この駅も周辺の方々が季節の花を植えている。線路端・ホームと花で彩られる駅が多い。


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