神尾崩落、奮闘を続ける大井川鐡道


 6列車はご存知「ひろしにぃ」さんの運転でした。何とこの列車、7:39着の7:43発と言う凄まじいダイヤ。到着し降車までに1分・上り線から下り線への入れ替えに2分・乗車に1分で発車...。駅員の誘導と運転士の連携が成す業!大鉄の神業とでも言うべきか??


 5列車の発車を見送り途中の地蔵峠から神尾駅付近の崩落現場を眺めつつ新金谷へ戻る事にした。地蔵峠の旧道へ入ると神尾の部落へ降りる道には警備員が配置され地元車輌と工事車輌以外の車輌進入を控えさせていた。その地蔵峠から大井川を見下ろせる場所に車を止めて見た神尾駅付近の姿...

 山肌が抉れ大量の土砂が線路を覆いつくしている。そしてその場所はあの「神尾たぬき村」のあったところ...。大井川の水位は既に下がり普段の姿に戻っているが、神尾のこの姿には息を呑んだ。この崩落が列車通過時だったら...とんでもない災害になっていた事だろう。
 下り線には鉄板が敷かれ工事車輌が現場付近まで入り込める様になっているが...工事はかなり難航しそうだ。


 列車の走らない新金谷駅構内にはC11227が展示されていた。来遊者が自由に記念写真を撮れる様に配慮がなされていた。錆びた線路が久しく列車が走っていない事を物語っている。そして新金谷駅入口にはSL運休の看板が出されている。千頭方面行きの代行バスに乗り込むお客さんに観光客の姿は見られなかった。


 構内で休むSL・電機・客車。この機会に老体を休めて整備を受けさせてもらいたいもの。
フリー切符を買い代行バスに乗車した。列車のこない五和築堤と並走する国道473号線を快調に走り抜けてゆく。


 代行バスに揺られること約30分、再び福用に降り立つとそこには313Fが待機していた。9月とはいえ残暑厳しいこの日、都会の乗客が居たならば文句が出そうな非冷房車。油の染みた木製の床・ちょっと疲れたクロスシート・勢いよく回る扇風機・剥き出しの蛍光灯...一昔前なら当たり前の車輌が今の世で活躍している。だったらこれを満喫しよう、大きく開く窓を全開にして大井川の川風で涼んでみよう。決して冷房が必要と思わない自然の恵みを感じられるだろうから...。


 さあ、大きく窓を開けて自然の風を頬に受けてみよう。窓の開閉が出来なくなった鉄道車輌が大半を占める現代、顔を出し・手を出しあるがままの風を身に受ける事が出来る...。首都圏でもいつかこういう日常が戻ってくることがあるのでしょうか。


 大井川第一橋梁を渡る列車の車窓に広がる光景、少し遅い夏空に白い雲・清らかな流れの大井川...たまたま訪れた方々が豪雨時の大井川を想像する事は今や困難なのか。それ位に澄んでいる大井川。暴れ川の異名は過去のものなのか...


 しかし大鉄を利用するお客さんには関係の無い事。鉄道・バス、自分達の「足」が確保されるかどうかが大事な問題。もちろん観光収入が大切なことは判っているはずだ。

 下り列車を駿河徳山で下車。すると構内踏切が閉まりだす。時刻表上には見せない回送列車が通過していった。「ワンマン」表記の右に手書きの「回送」札が下がっている。4編成だけでは間に合わない部分の穴埋めの為の回送であろう。

 暫し駿河徳山の街を散策、駅から少し離れた交差点では婦人警官が幼稚園児の交通教室を行っていた。
「大きく手を上げて右見て・左見て・後ろも見てもう一度右・左・後ろ。さぁ渡って〜、待ってる車の人にお礼を言いましょう」
何度となく横断歩道の渡り方を教えている。こんな光景、どこでも見られるものかな??


 再び電車に乗り込み千頭へ向かう。駿河徳山10:39発の下りは上り列車交換待ちの為に暫し停車。するとさっき行ったばかり(徳山10:19発)の313Fが戻ってきた。まさかこんなに早く戻ってくるとは思ってもいなかったのでカメラはバックの中...。何と千頭に10:29に着き1分後には発車しているダイヤ。ん〜無理させてるなぁ...。
 千頭に着き時間があったので崎平まで歩いて見ることにした。千頭を出たすぐの線路端にはコスモスと鉄砲ユリが同居する場所があった。発車直後のゆっくり走る列車が過ぎると微かに風が流れ華が揺れていた。


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送