初冬の大井川 長閑な休日の本線と保線期に入った井川線

 12月に入り、大井川鐵道井川線には数々の保線列車が運行される。今回、レール交換に伴う輸送列車が運転されると言うので撮影に出かけた。6日(奥大井湖上〜井川間)・13日(アプト市代〜川根両国間)の二日に分けて行われた輸送の13日分を追うと共に前日の本線のゆったりとした休日風景を撮りに出かけた。


 初冬の日曜日の朝、抜里駅に着いた。普段は開け放たれている駅舎の戸は閉められ人の気配もない。今日は嘱託のおじいさんもいないみたいだ。普段気が付かない曇りガラスの相合傘、朝陽が透かしてクッキリと見える。そんな初冬の空は青く静なもの。誰もいない駅に下り列車が着く。


地名駅で交換してきた上り列車が静かに発車していく。山陰からゆっくりと顔を出した陽に照らされ影を落として走り去る。


 地名駅へ移動した。空の雲が徐々に数を減らし陽のあたるホームはホカホカと冬らしからぬ暖かさになる。上り列車到着の5分ほど前「こんにちわ!」と元気に挨拶してホームに姿を見せた二人の子供。笹間渡の友達のところへ行くという。見知らぬ人にもしっかり挨拶出来る子供たち、都会では考えられない光景だろう。


 下り列車を待つ間、運転士もホームに降りていっぷくタイム。まだ残っていた紅葉を絡めて大鐵最古参の電車を見入る。空の雲も完全に流れ綺麗な青空が川根路を包み込む。


12月中ごろだと言うのにまだ見られる紅葉、片や季節に見合った夏蜜柑(甘夏?)も。異常気象がもたらしたのか、季節感がなくなっている。


 列車のワンマン化前に就職で街を離れ、結婚して戻ったらワンマンになっていたと言う近所に住む女性、駅前で洗車をしながら子供の頃見た地名駅の光景を話してくれた。免許を取ってからは沿線の道路が良くなり滅多に電車に乗ることもないと言う。


 さらに北上を続け、下泉駅に着くとすぐに上り列車が到着した。初老の駅員が入線を見守る。大鐵OBの嘱託駅員は様変わりする大鐵をどうみているのだろうか。


 田野口へ向かうと年末・年始の支度に勤しむ姿が見られる。「みつや」のおばちゃんはナマスの下ごしらえ・一方で駅舎には豊川稲荷への初詣ツアーの広告が掲出されていた。


 休日の田野口、平日なら利用者のない時間帯に一人の女性が待っていた。列車で友達と待ち合わせて遊びに行くのだという。友達の家が離れていると列車待ち合わせが当たり前になるようだ。


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送