’ 0 8 夏 の 大 井 川


 8月16日(土)、大井川鐵道で「大井川納涼ビール列車」が運転された。今年の運行はこの日で最後と言う事で、お盆明けの土曜日を午後半休して出かけてきた。心配された渋滞もなく17時半過ぎに新金谷へ到着する。
 新金谷の側線では既に「ビール列車」の編成が組成され、いつでも稼動出来る状態が整えられていた。

 よくよく見ると、牽引機のE102号は車体が綺麗。車体表記を見ると、8月に全検から上がったばかり。車体も全塗装されたようだ。


 荷物の積込みを行うために一度1番線につけられ、先発列車に道を譲るため、再び側線で待機する「ビール列車」。そこへ18:05発の千頭行き列車が到着する。JR線や金谷方面からビール列車参加者も結構乗車していた。


 18:05発の列車が出るとすぐに入換えが行われ、一番線に据えつけられる「ビール列車」。お手製のヘッドマークには、ジョッキに入った生ビールと枝豆が描かれている。


 ビール列車の編成は、電源及び便所確保の為に連結されたオハフ33215にお座敷車のナロ80が2両、展望車のスイテ82が1両の4両編成。この日は展望車が団体貸切となっていて、その車輌に乗る方々の大半が浴衣を着ていた。納涼ビール列車に浴衣、風情があります。


 一般のお客さんは2両のお座敷車へ、趣味人は控車へ(笑)
オハフ33215は、白熱電灯にニス塗りの木造車内と、古きよき時代の汽車旅を楽しめる車輌。映画やCMなどにもちょくちょく登場するのでご存知の方も多いでしょう。


 キンキンに冷えた生ビールに樽ハイが飲み放題で、オツマミの折詰が付く。冷房装置のない車内で涼をとるべく団扇も各人に用意されている。
 新金谷を18:25に発車し、千頭に19:40に到着。折り返し20:10発で新金谷に21:41に戻ってくる。乗車時間往復で3時間弱、この間が呑み放題となる。


 窓を大きく開けて大井川の川風を受けながら進むビール列車。時間と共に暗くなる沿線風景を眺めながら呑む生ビールはまた格別!列車の揺れと相まって、早々からほろ酔いお酒の国へ...


 定刻通りに千頭に到着したビール列車。すぐに機関車の付け替えが行われる。到着15分後には後続の普通列車が到着するため、入換作業は素早く行われる。普段から入換業務の多い路線だけに、その動きは軽やかなもの。


 バッテリー消耗防止のため、列車自体の照明が消され、仮設の発電機で灯る提灯の灯かりがお座敷車の車内を照らす。通常の照明も電球色に変えたら更に雰囲気がよくなるだろうが...


 20:08、発車まであと数分。再び車内灯が灯され、最後尾の客車には赤い尾灯が点灯する。客車列車そのものが減少し、さらに尾灯代用として反射板が多用される今、赤く煌々と灯る尾灯が列車端を知らせるのは、安全を確認する意味も含めて嬉しいもの。


 20:10、千頭を発車した列車は漆黒の川根路を新金谷へ向けて走り抜ける。電球の温かな灯火の車内に、他車輌の乗客が度々訪れる。自分達が乗車している車輌と違う雰囲気を楽しむ人・写真と撮る人...その姿は様々。

 黒地に朝顔が描かれた浴衣を着ていた女性にモデルをお願いしての一枚...
ニス塗りの木製の車内に電球の色、煤けた紺の座席に落ち着いた色調の浴衣の女性、とてもいい雰囲気を醸し出す。


セピアモードで画像加工

現役時代にもこんな感じで汽車を利用する姿があったのだろうか...


 21時過ぎ、家山で下り列車と交換。暫しの停車時間に駅の外灯と車内灯を絡めて撮ってみる。ホームの上屋・電柱も木造。平成の構造物のないこの時間、昭和30年代の夜汽車にタイムスリップしたかのよう...


夜汽車の温もりは時間と共に一層濃いものとなる...


21:41、新金谷に着いたビール列車。浴衣姿の二人は列車に名残惜しむかの様に佇む...


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