C 5 6 4 4 号 機  再 び


 2007年2月27日(火)10時過ぎ 大井川鐵道新金谷駅構内で県内マスコミ各社を招き記者会見が行われた。その後ろには長らく休車状態にあるC5644号機の姿が...。


 C5644号機 昭和11年3月、三菱重工業神戸造船所で製造。北海道苗穂機関区へ配置される。その後昭和16年、軍隊に供出され戦時輸送のためタイ国へ輸出される。165両製造されたC56型のうち、1から90号機の90両がタイ・ビルマ方面へ供出された。

 タイへ渡ったC56型蒸気機関車は終戦後タイ国鉄に引き継がれ現地で活躍。昭和52年、ディーゼル化で廃車解体される予定だったタイ国鉄735号(C5644)を大井川鐵道スタッフが調査を実施し、動態保存を行うべく日本へ帰国する手立てを取る。

 時を同じくしてC5631号機を日本に戻すべく活動していた戦争関係者の運動が重なり、昭和54年、2両のC56型蒸気機関車が帰国することとなった。
 C5631号機は靖国神社に静態保存、C5644号機は大井川鐵道で動態保存されることとなった。


 昭和54年の搬入の様子を知る元副社長の白井氏が当時を回顧しつつインタビューに答える。メーターゲージのタイ国鉄から日本の標準的ゲージ1067mmへの改軌の話など、苦労と費用が掛かった事を説明。当日夜の県内ニュースで放送されている。


 改修工事を実施する新金谷車輌科長の鈴木氏へもインタビューが行われる。現在のボイラーの状態・これからの動きなどが説明され、最低でも3両の客車を牽ける様に整備していくとの事。


 平成18・19年度の補助金を受け総工費2600万円を掛けて修繕されるC5644。日タイ修好120年を記念してタイ国鉄で活躍していた仕様で復活させる事となった。
 今後、県・関係団体との連携によりタイとの国際交流を深めると共に、平成21年開港予定の「富士山静岡空港」を活用した集客・沿線地域活性化に寄与していくこととなる。


 この日、井川線のDD20型ディーゼル機関車の回送も行われた。日本仕様のC56と新金谷構内で顔を合わせるのもこれが最後かも知れない。マスコミ各社の中でも、SBSとNHKは結構長い時間を掛けて取材していた。


 ボイラーを提供する事となるC12208号機、部品取り用として入線した同機、まさか心臓部まで使われるとは思わなかっただろう。今後、ボイラー部分を取り外し、清水の東海ボイラーへ移送し整備の上、C5644号機のボイラーと載せ替えられる。


 修繕を担当する新金谷車輌科、科長の顔から笑みがこぼれる。10月中旬の「山田長政祭り」又は「鉄道の日」の復活に向けて工事が行われる。
 「間に合いますか?」の問いに「やるしかないでしょう」とまた、笑顔で答えた。


 大代川側線に1両の蒸気機関車が留置されている。プレスアイゼンバーンの建物軒下に荒廃した姿で置かれていたカマである。建物の建替え計画があるためなのか、どういう経緯か判らないが、車輌科の方の話では外装レストアされる模様。


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