2004年 晩秋の大井川紅葉紀行


翌29日の6:35、幻想的な霧が包む第2橋梁を6レが通過していく。空にはまだ月が見られる。まだ陽はのぼらない。


 その後奥泉駅へ向かい7:07発の上り始発列車に乗車する。シーズン中には多客に対応するため増結された列車の回送車を併結することがしばしばあり、6両の長い編成が組まれることがある。まだ辺りの空気は深々と冷え込んでいる。

 この始発列車は小中学生の通学列車、冬休み期間は列車も運休になる。沢間駅にはいつも元気な小学生たちが待っていた。「また撮ってる!」とVサイン、何度も足を踏み入れると覚えられてしまう。


 車掌さんともしっかり仲良しの子供たち、列車の中では毎日の様に絡まれると車掌氏は言う。これだけ乗客と乗務員が身近な鉄道はそうそうないだろう。小学生たちは中央の乗降口を境に前が男子・後ろが女子と決めているようだ。


 7:35、千頭に着くと側線に止められている客車の窓が夜露に濡れ車内が見えないほどになる。深夜の気温はどのくらいなのだろうか。
その傍らでは到着した列車の点検をする職員の姿が見られる。本来なら両国車両区へ回送して行われる点検業務だが、シーズンダイヤ中は千頭へ出張して行われる。


 8:45発の下り始発列車の支度を整える。列車洗浄装置などない井川線では手作業で行われる事が多々ある。そして本線の3レが到着しドアが開くか開かないかで勢い良く駆け出す小学生、誰が一番最初に改札を抜けるか競争しているのだそうだ。


客車の屋根に楓の落ち葉が数枚載っていた。いつ付着したものなのだろうか...


 ピークを過ぎたとは言え沿線にはまだまだ見頃を迎えている紅葉スポットがある。アプト区間を行く列車の窓は寒さをものともせず大きく開けられたところが多い。


 アプト区間が終わり、機関車の解放作業が行われる。紅葉を眺めるために開けられた窓から乗客が様子を覗き込む。かなり水位の下がった接岨湖を渡る井川線列車、旧線も湖上に顔を出している。この辺りはあまり色付きが綺麗ではないようだ。


接岨峡温泉駅の傍らに見事に色付いたモミジが1本。森林露天風呂のおばちゃんの話では「この木が綺麗だと他は良くない」と言う。


 水位の下降により姿を現した井川線旧線のはるか上方を行く列車を望む。長島ダム建設に伴い14年前に廃止された線路がダムの水位変化により姿を現す。その列車に乗ってみると...車掌はこのお方。「はい、左側に座ってる人は立って右側の外をみて!あそこ見える??」と窓外を指差しながら沿線の案内をする。


接岨峡温泉駅に戻り色付きが一番良いモミジを絡めて上下列車を撮影、陽の良く当たる南側が赤みを帯び北側が黄色みを帯びている。


列車が出ると次の列車まで小一時間の間があく。風に吹かれ舞い落ちる葉が線路に落ちる


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