花咲く大井川とDBチャーターツアー


 翌日の30日、この日も天気が悪くなると言われていたが朝から青空が覗いている。新金谷8:34発の列車で千頭へ移動し今年のDBチャーター列車の入換えを待つ。
 10:10頃、川根両国車両区から回送されてきたDB1型9号機が単機で到着。すぐさま客車の入換え組成を行う。DB1型9号機は昭和27年製で昭和30年から井川線で活躍を続ける8tディーゼル機関車。産業用機関車として各地で見られたL型スタイルの機関車だが現存するものは数少なくなった。そして隣にならんだ客車は昭和28年製・井川線生え抜きの車両cスハフ1型。井川ダム建設に伴う作業員輸送用に作られたオープンデッキスタイルの車両。このオールドタイマーを貸しきってのツアー。今年は川根小山でのバーベキューを盛り込んだ「DBで行く森林浴バーベキュー号」となった。


 参加17名のうち、川根小山で準備にあたる3名を除く14名が乗ったチャーター列車は10:30に千頭を発車。機械式DL特有のギアチェンジとジャラジャラとチェーンの駆動音を堪能しながら進む。このままお天気ももってくれそうだ。


 チャーター列車は途中で撮影ポイントを設けてフォトランを実施。まずは沢間〜土本間に架かる寸又川橋梁でのフォトラン。新緑が綺麗なポイントで赤とクリームの車体色がさらに映える。DBとcスハフ1の列車は往時の井川線を彷彿させる。


寸又川橋梁を渡るチャーター列車を正面ぶち抜きでとらえる。若葉ピンと機関車ピンでそれぞれの雰囲気を味わう。(ロールオーバー)


営業列車では有り得ない客車1両のスタイルもチャーターならでは。オープンデッキに立ち大井川の川風を堪能できるのもこの客車だけ!


 再び走り出した列車、客車から機関車越しに前方を望む。列車にのりつつ森林浴が出来るのも森林鉄道の強み?冷房装置など必要ない心地よい風が車内を吹き抜ける。

 そして予定通り川根小山駅に到着。上り定期402列車と離合すると側線へ移される。隣の客車と比べDBがいかに小さいかが判る。


 側線に移されたDBはエンジンルームを開けられ点検を受ける。古い機関車は維持管理も大変、わずか6km余りの移動距離でも大事をとる必要がある。定格85馬力・最大110馬力のエンジンは客車2両を何とか牽けるだけの出力しかない。


 お待ちかねのバーベキュータイム。木々が木陰を作る川根小山駅構内に肉の焼ける匂いが漂う。ビールに焼酎がドンドンと消え、静かな山の駅が賑やかな宴の場と化す。


DBを目の前に一杯!こ〜んな至福の時を味わえるなんて...まさに夢のまた夢?そんな夢が叶えられるのも大井川鉄道ならでは!


12:33、定期旅客列車が交換する。脇には普段見られない機関車の姿とバーベキューを楽しむ面々の姿。

定期旅客列車に乗る観光客の方々の視線が一斉に向けられる。


 13:30、約2時間のバーベキュータイムもあっという間に過ぎ再びチャーター列車が動き出す。第二のフォトランポイントは川根小山〜奥泉間のポイント。25‰の勾配を上る姿をフィルムに収める。前照灯がレール面を照らす!


 奥泉で折り返してきたチャーター列車。DBも後ろ向き運転となり機関士も身体を捻っての運転となる。車で言うならばマニュアル車を後ろ向きで運転する格好。営業列車で使用していた頃は1時間50分程度もこのスタイルで運転していた事になる。相当きつい仕事だっただろう。


 バーベキュー会場で残った発泡酒で乾杯!あとは千頭に着くまでノンビリと列車旅を味わうのみ。全開に開かれた窓から気持ちよい風が流れている。心地よい気分のまま千頭に着いたのは言うまでもない。

 最後にDBチャーター列車を企画されたコリドラスさんをはじめ、運営に携わった皆様・井川開発事務所・乗務員の皆様に心から御礼申し上げまた次回の運行を楽しみにしたいと思う。


                               

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